2007・06

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2007/06/26 (Tue) ふらりスペイン:七転び八起き・2
【4転び】飛行機が飛ばない…
バルセロナ→マドリッド間の移動には飛行機を使いましたが、機体に問題が見つかったとかで、飛ばなくなってしまいました。その後の便に振り替えてもらい、空港内のレストランならどこでも無料で食事ができるクーポンをもらえたのは、不幸中の幸い。あまりお腹がすいていなかったので、手近なコーヒースタンドでカフェオレとサンドイッチを頼んだら、おじさんが「もっといいレストランに行けばいいのに!このクーポンがあればお肉だってエビだって食べられるのに!」としきりに残念がってくれ、ボトル入りのミネラルウォーターをおまけでつけてくれました。ありがとう、おじさん♪

white flower

【5転び】飛行機が遅れた…
帰りの飛行機はブリティッシュ・エアウェイズ/イベリア航空のコードシェア便でイギリスのヒースロー空港に行き、ブリティッシュ・エアウェイズに乗り継ぎます。乗継時間は1時間半。行きは1時間20分かかったから、ぎりぎりだな…とおもっていたら、マドリッドの空港で、ヒースローへの便が30分遅れるというアナウンスが。何もしなければ、確実に成田への便を逃します。ボーディング・ゲート付近にブリティッシュ・エアウェイズのカウンターがなかったので、イベリア航空のカウンターで事情を話してみましたが、「ブリティッシュ・エアウェイズのことは知らない」の一点張り。ジェネラル・インフォメーションで、ブリティッシュ・エアウェイズのチェックイン・カウンターと連絡が取れないか聞いてみましたが、「他の航空会社はセキュリティ・ゲートの内側にカウンターがあるから、外のカウンターの連絡先は知らない。内側にカウンターがないブリティッシュ・エアウェイズは世界一の馬鹿会社だ」と愚痴が始まってしまいました。ボーディング・タイムに間に合わなくなりそうだったので、最後の5分でともだちに電話。ブリティッシュ・エアウェイズのカウンターに連絡を取ってくれるよう頼みました(最後の最後まで迷惑かけてごめんね)。

ヒースローへは、予定より50分遅れで到着しました。空港の建物に入った時点で残り時間は40分、セキュリティ・ゲートの前には、長い長い行列が、ロープに沿って6回も折り返していました。こうなれば奥の手。右手にパスポートとボーディングパス、左手にベルトと脱いだ靴とキーチェーンを持って、「飛行機に乗り遅れそうなんです」と叫び、先に通してもらいました。そのまま靴の紐も結ばずに空港の端のゲートまで走り、飛行機の中で時計を見たら、ちょうどゲートの閉まる時刻。不振な空席をたくさん残しながら、飛行機は飛んでいきました。海外だと、チェックインしていても、時間になると飛ぶ飛行機がけっこういるのです。特に、エコノミークラスで飛ぶときは、何をしてでも時間に間に合うべき。ブリティッシュ・エアウェイズに連絡してくれたともだち、「先に行きなさい」とロープを持ち上げてくれた50人近くのひとたち、ありがとう♪

toledo station

【6転び】スーツケースがまた届かない…
何とか飛行機に乗れた私ですが、成田のバゲイジ・クレイムで待っていたのは、マユゲが八の字になったブリティッシュ・エアウェイズのお姉さんでした。「大変申し訳ないのですが、お客様のお荷物はまだヒースローに…」。からだは間に合ったけれど、スーツケースは間に合わなかったようです。家に帰れば着替えも洗面用具もあるので、重い荷物を家まで持っていかずに済んだとおもえば、不幸中の幸い?

【7転び】バックパックが破けた…
学生時代、本を5キロ以上入れても持ちこたえていた愛しのバックパックが、旅の過酷さに耐えかね、ついに破けてしまいました。こんなこともあろうかと、持っていた安全ピンで応急処置。そんなものまで持ち運んでいるから破けるのかもという気はしますが、まあ、不幸中の幸い。最後まで、いっしょに旅をしました。長いあいだ、私の背中でがんばってくれてありがとう。最高の旅なかまだったよ、バックパック。

casa batlló: conversation

【8起き】旅の終わりに…
最近元気がなかったので、ゆっくり青い空でも眺めてたのしもうと出かけた旅でしたが、vacationというよりはadventureな休日でした。旅をすると、多かれ少なかれ、いろんなことが起きます。そのたびに、「何でこんな目に?」と怒ったり、絶望したりしていたら、旅の時間がもったいない。備えられるものは備え、それでも何か起きてしまったら、さっさと受け入れて、できるかぎりのことをして、いろいろなひとやものに助けてもらいながら、まだ残っているたのしさをたのしめばよいのだとおもうのです。それはきっと、旅ではない毎日の中でも同じ。1週間の旅も、一生の毎日も、大して変わらないのだとおもいます。だから、明日からも、好奇心のアンテナを張って、ひとにあい、笑い、食べ、写真を撮り、七転び八起きしながら、毎日を旅していきます。あなたも、毎日、よい旅を!

※画像は上からバルセロナの花、トレド駅の飾り窓、カサ・バトリョの窓
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2007/06/25 (Mon) ふらりスペイン:七転び八起き・1
ここまでの旅日記には書きませんでしたが、今回の旅は実は波乱万丈でした。

【1転び】液体が持ち込めない…
成田空港でチェックインしたとき、カウンターのお姉さんに「手荷物に液体はありませんか?」と聞かれました。化粧水、シャンプー、日焼け止め…私は当面必要なものはすべて手荷物にする派なので、いっぱい液体を持っています。ところが、空港では、現在、セキュリティ強化中で、液体は100ml以内に小分けにし、所定のビニール袋に入れなければならないとのこと。「スーツケースにお入れになりますか?と聞かれ、実際にまわりにスーツケースを開いているひともちらほら。…が、ボーディングタイムにあまり真がなかったこともあり、手荷物中のコンタクトレンズ洗浄液だけを捨てて、無理やり手荷物にしてしまいました。お気に入りの香水を荷物に入れ忘れていたのは、不幸中の幸い。カウンターのお姉さん、専用のビニール袋、ほんとうは買わないといけないみたいだったのに、分けてくれてありがとう♪

la pedrera: museum

【2転び】スーツケースがない…
スペインには日本からの直行便が飛んでいません。それで、イギリスのヒースロー空港で乗継をしました。行きの便は50人ほど乗れそうな中型機でしたが、スペインの空港のバゲイジ・クレイムでくるくる回っていたスーツケースはせいぜい20個。わあみんな身軽なんだね・・・と、そんなわけあるか。遺失物預かり所に、他の30人ほどと一緒に行列するはめになりました。さすが、スーツケースのバミューダトライアングル、イベリア航空。ホテルのスタッフに頼んでこまめに空港に電話をかけてもらい、2日後にはスーツケースと再会することができたのですが、ホテルで待ち合わせしていたともだちにはとても心配をかけてしまいました(ごめん…)。スキンケア&ヘアケアの液体類と当面の着替えを手荷物にしていたのは、不幸中の幸い。いろいろと手を尽くしてくれたともだち、ホテルのお姉さん、ありがとう♪

casa batlló: attic

【3転び】お財布がない…
バルセロナ観光中、ともだちがお財布をすられてしまいました。地図を持った女性が近づいてきて道を聞き、注意が逸れた隙にハンドバッグからお財布を抜き取る…という手口でした。お財布にあまり現金を入れておらず、地元の警察やカード会社にスピーディーに届け出をしたため、被害は最小限に留められたのですが、スペインの治安の悪さを間近に見てしまったできごとでした。ともだちがスペイン語ができるひとでよかった。バルセロナでは、他にも警察を装って近づいてくる2人連れや、やたらと上を向かせようとするひとにも会いました。親切なひと、やさしいひとほど危ないとおもいます。なるべくお金を持っていなさそうな服を着て、必要な金額だけを洋服のポケットに分散させて入れておくのがおすすめ。(私はこの旅のためだけにポケットが9つもあるGAPのワークパンツを買いました)

la rambla: dali

※画像は上からガウディ博物館、カサ・バトリョ屋根裏、ランブラス通りの大道芸人

2007/06/23 (Sat) ふらりスペイン:おいしい太陽
旅のたのしみといえば、おいしいごはん♪スペイン料理は素材を生かしたシンプルなものが多いようです。バルセロナでは、港の近くで長方形の貝とお魚のグリルをいただきました。この貝は、アスパラガス貝と呼ばれているそう。味は淡白で、エリンギに似た食感でした。

looooong shellfish

この日のデザートはカタルーニャ地方の伝統的なスイーツ、クレマ・カタラナ。映画の「アメリ」にも出てくるクレーム・ブリュレに似ていますが、もっと骨太です。表面のカラメルはしっかり硬いし、クリームもスプーンの上でぶるるんと揺れます。

crema catalana #2

他にもおいしいものはたくさんありましたが、共通点は「濃い」こと。トマトひとつ、オリーブオイルひとつとっても、強い太陽に煮つめられてしまったみたいに、味や風味がぎゅぎゅっと濃縮されています。

tomatos

その上、乾燥して暑い気候のせいか、塩がぱっきりと利いています。有名なイベリコ豚の生ハムも、パロマの生ハムよりずっとしょっぱいです。スペインで初めて覚えたスペイン語は、「ポキート・サル、プレファボーレ」(お塩控えめにしてください)と、「アグア・コン・ガス」(スパークリングウォーター)でした。

jamon iberico

青い青い空と乾いた風にとてもよく似合うスペインのごはんたち、(量がものすごかったけれど)とってもおいしかったよ、ごちそうさま。

fruits seller #1

2007/06/22 (Fri) ふらりマドリッド
スペインの首都、マドリッドに行きました。色彩豊かなバルセロナに比べると、しっとりと落ち着いた色合いで、いかにもヨーロッパの都市という感じがします。

street

マドリッドへの旅の目的は、何といっても美術館♪15世紀以来の王家のコレクションを展示しているプラド美術館と、現代美術をカバーしているソフィア王妃芸術センターで、スペインの巨匠といわれるひとたちの作品を間近に見てきました。

プラド美術館で特に印象に残ったのは、ゴヤ。本で見たときにはやさしく見えた『裸のマハ』(1797-1800)、『着衣のマハ』(1797-1803)でさえ、間近で見ると、筆で勢いよく描いた跡が残っています。マハの視線も、甘い誘惑というよりは、ご機嫌斜めの猫さんのよう。アタシに手が出せるもんなら出してみなさいよ、痛い目見ても知らないわよ、といわれたような気がしました。ナポレオンのスペイン侵略を描いた『マドリード、1808年5月3日』、ゴヤ自身の別荘の食堂に飾られていたという『我が子を喰らうサトゥルヌス』になると、夢に出てきそうなくらい怖いです。絵画にPG指定、R指定があったとしたら、この2枚にはR13くらいの指定がついていてもおかしくないようにおもいます。

エル・グレコ、ベラスケスは、違う方向に怖いです。エル・グレコの描くひとたちは、何だか灰色で、細長くて、スプーンの内側に映った顔を見ているような感じです。そのひとたちが、蝋のような肌と真っ黒な目でじっと見下ろしてきます。うーん、怖い。ベラスケスはいわゆる宮廷画家として名を馳せたひとで、宝石やレースに身をつつんだ王族・貴族のひとの絵をたくさん描いています。ちょっと見るぶんにはきれいなのですが、よく見ると、描かれているひとの何人かは、ひやっとするほど目が虚ろ…。そのひとがほんとうに虚ろだったから、虚ろなひとの絵になってしまったのだとおもうのですが、これで依頼主さんは納得したのかなと心配になってしまいました。

centro nacional de arte reina sofia

もっと後の時代の、すごくて怖い絵画といえば、ピカソのゲルニカ。ソフィア王妃芸術センターの展示室1室を大きく使って展示されています。力のある絵でした。あまりしっかり向き合うと打ちのめされてしまいそうなので、ただ灰色を見つめてきました。青味がかった灰色、黄色がかった灰色、真っ黒。この絵に血を感じるというひとが多い割に、赤は使われていません。ひとつの面でもいろいろな灰色が重ねられ、跳ねまわっていていました。同じ展示室にはゲルニカのための習作がたくさん展示されていて、一度描かれたあと消された線や、黒い指の跡を見ることができます。

どの絵も強くて、ほんとうに強くて、真っ向から受け止めることができませんでした。プラドにもレイナ・ソフィアにも、もっと明るくて穏やかな絵がいっぱいあります。外を見れば、強い光の下にいろんなひとが生きています。そうして目やきもちを、少しずつ休ませながら見るのがおすすめです。

which icecream?

2007/06/21 (Thu) ふらりバルセロナ:モデルニスモをめぐる旅・4
モデルニスモをめぐる旅の終着点は、グエル公園です。この公園は、もともとは資産家グエル氏が、分譲住宅地として開発したもの。ガウディの設計で広場や道路がつくられ、60軒の住宅が売りに出されました。ところが、売れたのは、グエル氏本人とガウディ自身の邸宅の2軒のみ。1922年に市がこの土地を買い取り、公共の公園にしたそうです。

入口の階段でお出迎えしてくれるのは、公園のシンボル、とかげさん。きれいな色合いだし、よくみると愛嬌のある顔をしていますが、これを見ていきなり「ここに住もう」とおもえるかどうかはすこし疑問です。たとえば犬さんや猫さんだったら、おうちも売れたかもしれない。

palau güell: salamander

階段を上りきったところには、市場になる予定だった広場があります。音の反響がとても良くて、楽器を弾いているひとがちらほら。ここで「安いよ安いよ!」っていったら、すごく音が通りそうな気がします。

palau güell: marketplace

palau güell: guitarist

それにしても、こんなに道が斜めなのはなぜなのか。学校帰りやお買い物の帰りに、寄りかかっておしゃべりするため?

palau güell: leaningcolumns

そして広場には、うねりながらぐるりと広場を1周するベンチがあります。ひとつひとつ色合いの違うタイルで飾られていて、眺めていて飽きません。しかも、座り心地がかなり良いのです。タイルなのにおしりが痛くなったりすることもなく、ゆったりと背もたれにもたれても、腕をかけて街を眺めても、とても和みます。

palau güell: a woman in green

広場でこどもや犬がたのしそうに遊んでいる声がきこえて、ほっぺたを風がすーっとなでていって、すごく平和。入口にとかげさんがいたりするちょっと不思議な街だけれど、ひとが平和をかんじられる場所、というのは、街として最高の条件を備えているとおもいます。住むことはできないけれど、グエル公園、いつかまたくるね、本とお茶を持って。

2007/06/20 (Wed) ふらりバルセロナ:モデルニスモをめぐる旅・3
世界には、建築に興味のないひとでもかたちが思い浮かべられる建物がいくつかあります。聖サグラダ・ファミリア教会も、おそらくそのひとつ。とうもろこしのような搭が空に向かってにょきにょきと伸びるこの建物は、サン・ホセ帰依者協会の本堂として、1882年、フランシスコ・デ・パウラ・デル・ビリヤールの手で着工されます。が、柱の装飾を巡る意見の対立がもとで、ビリヤールは辞任。その後を引き継いだのが、わずか31歳のガウディでした。このときから、サグラダ・ファミリアはガウディのライフワークになります。

sagrada família

ガウディがすべての知識と経験、エネルギーを使って設計した教会は、「生誕」「受難」「栄光」の3つのファサードに、キリスト、福音書記官、聖マリア、12使徒を表す計18本の塔がそびえる壮大なもの。ガウディの生前に完成したのは、いきいきとした彫刻に飾られた「生誕」のファサードのみでした。

sagrada família: carpenter

が、ガウディの遺した資料に沿って、現在も工事が続けられています。その工事はあと数百年続くともいわれていますが、数年前にともだちが訪れたときには何もなかったところに、柱が立ち、天井ができていました。からっぽの窓から射しこむ透明な光も、いつかすべてあでやかに彩られていくはず。

sagrada família: nave

sagrada família: window closeup

sagrada família: stained glass

ガウディは、「いつになったらサグラダ・ファミリアは完成するのか」という問いかけに対して、「私の依頼主は、お急ぎにならないからね」と笑ってこたえていたといいます。あなたの依頼、世界中の建築家が引き継いでいるよ。できるのがたのしみだね、かみさまが喜んでくれるといいね、ガウディ。

2007/06/19 (Tue) ふらりバルセロナ:モデルニスモをめぐる旅・2
カサ・バトリョのお隣は、ガウディのライバルだったプッチ・イ・カダファックが手がけた、カサ・アマトリェー。名前からして何やら甘そうなおうちですが、外観もアイシングで飾ったクッキーに似ています。中に入るとギフトショップに並んで高級チョコレートやさんがあります。こうなると、きれいなステンドグラスもべっこう飴みたいに見えてきて、すこしグレーテルのきもちでした。

casa amatller

グラシア通りを下ると、ぐっと硬派な建物が見えてきます。カサ・ミラ。ガウディがミラ氏の依頼を受け、1906~1910年につくった邸宅です。砂丘のようなかたちに彫られた石と鉄のファサードから、ラ・ペドレラ(岩切場)の愛称で親しまれています。公開されているのは地階(エントランス)、4階(マンション)、7階(博物館)、屋上のみ。

la pedrera

見るからに堅牢な外観の割に、内装は明るくモダンで、洗練された雰囲気。すっきりしていて住みやすそうです。

la pedrera: lamp

でも、屋上には異次元空間が。前衛兵をかたどったこちら、煙突です。

la pedrera: chimneys

えっ、まさか、とても煙突には見えない…と驚いているこちら、埴輪ではなく、どうやら通風口です。住んでいるひとたちがごはんを作ったり、暖炉を使ったりしたら、この煙突くんたちの目や鼻や耳から煙が出るのかとおもうと。たのしいような、怖いような…。

la pedrera: chimneys


2007/06/19 (Tue) ふらりバルセロナ:モデルニスモをめぐる旅・1
今回の旅の目的のひとつは、モデルニスモ建築を見ることでした。モデルニスモ建築は、18世紀後半から19世紀初頭のスペインで流行した様式で、平たくいえばスペイン版アールヌーボー。植物などのモチーフと曲線を多用しながら、機能的なデザインが特徴です。

バルセロナには、いくつもの優れたモデルニスモ建築が残されています。そのひとつがカタルーニャ音楽堂。花の建築家ともいわれる ドメニク・イ・モンタネールの1908年の作です。いかにもヨーロッパの古い街並みのゴシック地区に場違いにぽつんと立っていて、道を間違えたかとおもうくらいですが、建物の中はとてもエレガント。色とりどりのタイルやガラスでできたお花が、壁や階段の細部にまであしらわれ、広い窓からの光を弾いています。圧巻は音楽ホール。ミュシャをおもわせるような柔らかい表情の女性たちと、大きな向日葵のような太陽をデザインしたステンドグラスが、天井からせりだすように創られています。舞台の上には楽器を手にしたミューズが描かれ、二階席からはペガサスが身を乗り出し、客席の両脇は薔薇やマーガレット、かたつむりの渦をデザインしたステンドグラス。光をたくさん射す様子が楽しめるよう、ここでは昼間にしか演奏会が開かれなかったそうです。撮影禁止のため、写真でお見せできないのが残念(画像は絵葉書です)。

catalan_music

そして、モデルニスモの代表的建築家といえば、ガウディ。美術も建築も、最初にどの作品を見るかが大切だとおもうのですが、私とガウディの出会いはカサ・バトリョ(1904-1906)。最高の出会いでした。ガウディが海をイメージしてデザインしたといわれ、「骨の家」の異名を持つこのおうち。何だかとてもたのしいのです。どこもかしこもうねうねと曲がっていて、骨のような節々もあって、くじらか竜みたいなおおきな動物の中にいるような気になってきます。

casa batlló: stairway

窓のガラスや天井が渦を巻いているのは、水の流れを表現しているのでしょうか。

casa batlló: a window at the piano nobile

casa batlló: spiral ceiling

中庭の吹き抜けをガラス越しに見ると、海に潜って水面を見上げているようなかんじに。タイルの青は上に行くにしたがって淡くなっているそうです。

casa batlló: stairwell #5

すごいなあとおもったのは、こんなに変わった建築なのに、居心地が良いということ。階段の手すりはすんなりと手になじむし、ドアや窓は指先にやさしく、きのこ型の暖炉も花柄の煙突もきちんと役目を果たしてくれそう。バトリョさんちの子に生まれて、このおうちに住んでみたかったと、一瞬本気で考えてしまいました。

casa batlló: wooden window


2007/06/18 (Mon) ふらりトレド
「トレドはいいよ~」という知り合いのことばに後押しされ、トレドに行ってみました。トレドはマドリードから南に70kmほどの街。ローマの城塞都市から西ゴート国の首都になり、その後イスラム教徒に征服されたとおもったら、レコンキスタでアルフォンソ6世が再征服…という、波乱万丈な歴史があります。そのおかげで、駅のステンドグラスからして、どこかイスラムを感じさせる幾何学模様。

toledo station

タホ川を越えて、坂を上ると、城砦に囲まれた都市が見えてきます。ジローナに少し似ていますが、ずっと大きくて、男性的な感じ。お店に並ぶおみやげにも、チョコレートやアクセサリーではなく、鎧や盾、金の十字架などが目立ち、RPGの市場のようです。

market place

simon

花びらのように乱れ飛ぶつばめたちと悲しげな獅子に守られた建物は、カテドラル。薄暗い内部には、スペインカトリックの総本山にふさわしく、堂々とした内陣があります。聖具室にはエル・グレコ、ヴァンダイク、ゴヤなどの絵画が飾られ、教会参事会会議場は金色の天井に飾られています。伏せ目がちに微笑むマリアさまの足元では、キャンドルが赤くゆらゆらと光り、何人ものひとが跪いて祈っていました。目を上げると天井が高くて、薄い闇の向こう、はるか遠くに、何だかきれいなものがぼんやりと見えました。

catedral

catedral: toward the heaven

もう一度明るい日の下に出たとき、カテドラルの前の樹の下に座るひとをみました。彼は私がみた暗闇の、もっともっと向こうを見たまま、ずっとずっと、ふわりと笑っていました。彼の目にはきっとかみさまが見えているんだろうな。彼の耳には、きっと天使の声が聞こえているんだろうな。何百年ものあいだ、この街に訪れた、たくさんのひとたちのように。

in the front of catedral

2007/06/17 (Sun) ふらりジローナ
バルセロナから列車で1時間のジローナは、2つの川に挟まれて佇む町。古くから戦略上の要地であり、1809年にはナポレオン軍の侵攻に7ヶ月以上も抵抗したといいます。イベリア人やローマ人の築いた城砦の残る町並みは、世界遺産にも登録されているそうです。

gerona: riverside

坂の多い景観はどこか物語の中のようで、角を曲がったところにドラゴンや天使、妖精がいても不思議はないような気がしてきます。

gerona: streets

町で一番めだつ建物は、カテドラル。そこには回廊に挟まれた小さな中庭があり、中庭からの光と石柱が床にしましまの影をつくっていました。太陽の前を雲が通りすぎると、その縞が薄くなったり、濃くなったり、さざなみのように変化します。池には鳩がたくさん集まって、すり減って角がなくなった縁石にしがみつくようにしながら水を飲んでいました。

gerona: the cathedral

裏手には高い壁に囲まれた大きな庭園があります。崩れかけた石に蔦がからみつき、つりがね型の花が咲き、鳥が鳴いて、空を飛ぶ島の忘れられた庭園のようでした。

gerona: the catedral garden

gerona: the catedral garden

そして、宝物庫では、1100年頃に織られたという「天地創造のタペストリー」をみました。暗闇に目が慣れるにつれて、世界に光がもたらされ、空と海、植物や動物、人間が満ちていくようすが見えてきます。タペストリーの周りには風や季節、月をあらわすものたちも。ダリのアートのように華やかでも、世の中に問題提起をしていたりもしないけれど、そのタペストリーには900年前のひとたちのこころが溢れていて、気高くさえ見えました。他のお部屋に保管されている司祭の礼服にも、びっしりと刺繍がほどこされていて、一針一針、神さまのために、敬愛するひとのために針を進めているひとたちのこころが見えるようでした。初めて、旅にきたんだ、きてよかった、とおもいました。

ところで、帰り道は、どっちだろうね、犬さん…?

gerona: a dog high above



2007/06/16 (Sat) ふらりフィゲラス
少し早めの夏休みをもらって、スペインに留学中のともだちに会いにいきました。今日から1週間分くらいは、旅行記を書きます。旅行記に多い「今日は●●と●●にいった。●●を食べ、●●に出会った」式の文章はあまり得意ではないので、場所別、トピック別に書きます。時系列は必ずしも正しくないので、写真のお天気と日照加減でご判断ください。

* * * * *

バルセロナ郊外の町、フィゲラスまで足を伸ばしてみました。フィゲラスは、バルセロナから列車で2時間、人口34200人ほどの町。古くはフランス・カタローニュ地方と、スペイン・カタルーニャ地方を結ぶ商業都市として栄えたそうです。現在は、シュールレアリスムの代名詞、サルバドール・ダリが生まれ、暮らし、死んだ町として知られています。

列車の駅からはヨーロッパらしい石造りの町並みが続きますが、唐突に卵やパン、バゲットを頭に乗せたダリ式リーゼントヘアの像に飾られた建物が見えます。それがダリ劇場美術館です。

teatre museu dalí

入口を抜けると、中庭が見渡せます。お庭の中央には、1938年作のオブジェ、「雨降りタクシー」がそそり立っています。エルンスト・フックの「クイーン・エステル」、船から滴り落ちるかに見える青いペンキ、アル・カポネのキャデラックの窓の内側を流れる水、それを透かして見える人影。近づいてみていると、いろいろな国のひとが、いろいろな国のことばで驚いていました。

<teatre museu dalí: raining taxi

中庭をぐるりと取り囲むギャラリーには、油絵、ペン画、彫刻、アクセサリー、インスタレーションなどが展示されています。ダリといえば溶けた時計の絵画の印象が強かったのですが、やさしくすら見える青や全く色褪せない緑、女神のように神聖で不埒なガラ、蜘蛛の脚の象、今までに知らなかったダリを見て、びっくりしてきました。

teatre museu dalí: the blue aisle

teatre museu dalí: the mirror

teatre museu dalí: the mae west room

美術館の中には、ダリが眠るお墓があります。自分のことを偏執狂と呼び、人を驚かせるのが喜びだったダリ。あなたのつくったものは、いまもたくさんのひとをびっくりさせているよ。きっとあなたは、すぐそばで笑って見ているんだろうね。おひげをピンと立てて。

teatre museu dalí: his bed

2007/06/10 (Sun) 7の朝
ものすごくしあわせな夢を見ました。あまりにもしあわせで、目が覚めたときにものすごくがっかりしてしまい、1日立ち直れませんでした。10のしあわせが7に減ったとき、悲しいのは3がなくなったことではなく、10ではなくなったことなのだと知りました。

画像はともだちがくれた紫陽花と紅葉、穴ぼこだらけだけれど、こんなにきれい。そうだね、紫陽花、まだ7もあるんだよね…。

mini bouquet

2007/06/08 (Fri) hanabi style
「こういう写真を撮りたい」と意識して写真を撮ることがあまりありません。スタイルを固めずに、いろんなものを、いろんなふうに撮っているうちに、いつのまにか自分のスタイルができているといいなあとおもっていました。

taking shower

ここのところ、何となく自分のスタイルが固まってきたような気がします。撮るものがひとでも、動物でも、花でも、たべものでも、街でも、何となく、同じ感じに撮れてきているような気がします。

rose

固まってきたな、と感じるのと同時に、「きれいな写真」「あたたかい写真」「こんなに美しい写真が撮れるのだから、はなびさんもあたたかいひとに違いない」という評を、いろんなひとからいただくようになりました。

sour blocks #1

それは、とてもうれしいのですが。何だかとても不思議な感じがします。私は、自分の写真を「正確な写真」だとおもっています。ピントをずらしたり、露出を変えたりしているアートな写真ではなく、そこにあるものを、できるだけそのまま撮った写真。だから、私の写真がきれいだったり、あたたかく見えるとしたら、それは、撮っている私ではなく、撮られているひとやものがきれいで、あたたかなのだとおもうのです。そうじゃなかったら、プロのフォトグラファーは、みんなすごい善人だということになってしまうよ?

flower cookies #3

世界はきれいで、ほんとうにきれいで、私はそれをただ撮っているだけです。きれいさをありのままに伝えられるように、曲げないように、透明なガラスのようになりたい、とねがいながら。他のひとたちには、こんなふうに見えないの?

2007/06/06 (Wed) タイピンを探して
父の日には毎年プレゼントを渡していますが、今年は日本にいない予定です。あらかじめ宅配便しておくことにしました。横浜そごうで涼しげな甚平を見つけ、買う直前に母にサイズを相談したのが運のつき。電話の向こうの母は、「そんなものより、金のネクタイピンを探してくれない?銀のしかないのよ」と軽くいいました。

そごうの紳士小物売り場で金に小さな石がついたものを見つけ、「こんなのじゃだめ?」と携帯で撮った写真をメールしたところ、母から折り返し写真が送られてきました。「これがお父様のお気に入り。かけ離れてない?」。うーん、確かに、かけ離れている。でも、高島屋に似たデザインのものはありません。ルミネ、クイーンズイースト、高島屋とまわります。ネクタイピンを探すなら、渋谷か新宿まで出ればよかった、と後悔しても後の祭り。3時間以上歩き回って、高島屋でようやく金のネクタイピンを3本見つけ、一つ一つ母に写真を送っては電話をかけて、やっと1本買うことができました。横浜駅に下りてから、実に7時間。いつも、父のためのお買い物がいちばん時間がかかります。くたくたくた…。せめて使ってくれますように。

so pink

2007/06/05 (Tue) before the vacation
夏から大きめのプロジェクトに巻き込まれることになり、9月まで夏休みが取れそうにもないので、6月中にちょっと早めのお休みをもらうことにしました。今日はともだちと、そのうちあわせ。彼女は割といろんなものをたべてくれるひとなので、ずっと気になっていた中目黒のケーキ屋さん、パティスリー・ポタジエのじゃがいものロールケーキを手土産にしました。ソテーされたじゃがいもがごろんごろん入っていて、ちょっとヘンなケーキでした。でも、旅の準備はできてきた感じです。すごく、すごく気になっている植物たちも、私の留守中、ともだちがお水をあげてくれることになりました。後はお仕事を終わらせるのみ。毎日会社のエレベーターでへたりこんでしまいそうなほど忙しいけれど、がんばろう。

画像は小松菜の煮浸し。小松菜を自分で買ったのは初めてですが、とてもおいしくできました。見直したぞ、小松菜。

komatsuna no nibitashi

2007/06/05 (Tue) 温暖化を止めるためにできる10のこと
環境の日です。自分だけでなく、まわりのひとたちも環境のことを考えてくれる日になるとといいなあとおもい、去年私が発刊した環境報告書とお便りを会社中に配ってみました。

夜はおうちでキャンドルを灯して、ひとりキャンドルナイト。ほんとうはこういう特別な日だけじゃなくて、毎日、毎日、みんなが環境のことを考えられたらいいんだろうなあ。そんなわけで、毎日、あなたが、地球のためにできることをご紹介します。温暖化の他にもたくさん問題はあるけれど、まずはできることから。

ストップ・ザ・温暖化キャンペーン
地球温暖化防止のため、100万人で二酸化炭素を6%減らすことをめざしているキャンペーン・サイト。このサイトにオンライン登録し、エコシート(環境家計簿)に毎月の電気料金、ガス料金などを入れると、自分の暮らしがいまどれくらい二酸化炭素を出しているか、先月からどれくらい二酸化炭素を減らすことができたかを知ることができます。二酸化炭素をあまりださない暮らしをしていると、画面上の地球のイラスト(マイアース)に緑が増えたり、動物が元気になったりします。また、このシステムに登録しているひとたちの人数と、二酸化炭素削減量をリアルタイムで表示しています。2007年6月現在で、27795人が34.3トンの二酸化炭素を減らしています。

『不都合な真実』 オフィシャルサイト
アカデミー賞、世界主要29映画賞を獲得した、アル・ゴア前米副大統領の映画。日本でも今年1月から公開中。映画の最後には「あなたにもできる10のこと」が紹介されています。原語(英語)はアメリカのオフィシャルサイトに掲載されています。

10things

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はなび

Author:はなび
犬、紅茶、写真、美術館、お風呂、本、日本語がだいすき。2006年3月から、EOS Kiss DNと一緒にたのしくお散歩をしています。文章と写真は関係がないことが多いです。写真だけをまとめてご覧になりたい方は、hanabi days on flickrへもどうぞ。

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