2008・06

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2008/06/30 (Mon) キキイゴ
篠原のおみやげのキイチゴのジャムをたべました。ボイセンベリーというベリーを、採ったその日のうちにジャムにしたものだそうです。ホームメイドだからできる、甘さ控えめのゆるゆるジャム。口に入れるとラズベリーより癖のない甘酸っぱさがふんわり広がって、種のつぶつぶが感じられて、とてもしあわせ。たいせつに食べようとおもったのに、みるみる減っています。ベリー好きの母の分を先に他の瓶に分けておいてよかった。

homemade jam

ヨーグルトにジャムを添え、瓶のふたを閉めていて気づいたことがあります。

kikiigo

これ、「あたり」かもしれない。同じひらがなやカタカナを何回も何十回も書いていると、1回くらいは間違えて書いちゃうものですが(信じられないひとは”ぬめぬめ”って30回くらい書いてみるとわかるよ)、私の瓶、その貴重な1回だったのかもしれません。オレンジ色の字や、穏やかな甘さの後ろに、キイチゴを摘んだり、お砂糖といっしょに煮たり、瓶につめたり、ラベルを貼ったりしてくださった方の存在が感じられて、ちょっと心がほんわりしました。やっぱり残りは大切にたべよう…。
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2008/06/28 (Sat) 蛍の里へ
蛍に会いに、相模湖の近くの町、篠原に行ってきました。ガイドしてくださったのは、お手製の民族楽器を手に歌うシンガーのガイネさん他、篠原のみなさん。5年前に廃校になった小学校を改装し、ひとが集う場をつくっていらっしゃいます。

shinobara: rice paddy

建物には小学校だった頃の面影がそこかしこに残っています。橙色のネット入りの石鹸が下がった手洗い場、跳び箱、黒板。みんないつか見たものだけれど、こんなに小さかったかな。

shinobara: water fountains

shinobara: vaulting box

日が落ちると、足下が見えにくいほどの闇が落ちてきます。コンビニの青白い蛍光灯も、自動車の赤いテールランプも映らない、黒い黒い空。いつもならかわいいとしかおもわない犬の吠える声も、何だか遠く、怖く聞こえます。その中を、ふっと灯る淡い緑色の光。それが蛍でした。

篠原では去年まで100匹を超す蛍がいたそうですが、今年は数匹しか観測されていないそうです。きょうも会えたのは10匹ほど。「どんなに清流でも、民家がないと蛍は生きられないんです」と、ガイネさん。蛍の数は、蛍のご飯になるカワニナという巻貝の数に左右されるのですが、カワニナは民家から”ある程度”生ゴミが出たり、ひとが”ある程度”川面の草を整備しないと、育たなくなってしまうそうです。

街に暮らしていると「手つかずの自然」をとかく有難がってしまいがちですが、ひとの住まない所に蛍は住まないし、樹を切らなければ森は育たない。ちかちか光る蛍を見ながら、ひとも生態系の一部なんだなあと改めておもいました。いきものたちとバランスを取って生きていくのは昔よりむずかしくなっているけれど、いっしょに生きていけるといいね。

下は初挑戦の蛍の写真。来年はこれくらい戻ってきてくれるといいなあという希望を込めて、4枚を組み合わせていますが、色調やコントラストはカメラから出したままです。のんびりした子たちだったので、会いに行くときは、カメラのフラッシュも液晶パネルのライトもoffで、そうっとどうぞ。

shinobara: fireflies

2008/06/24 (Tue) じっと手を見る
占いというのは、未来を知るため、または現実を諦めるためのツールだとおもっていました。「水難の相あり」といわれれば、川を渡るときに気をつけて、難を避けることができるかもしれない。それでも足をすべらせて川に落ちてしまったら、「星のめぐり合わせが悪かったんだね」といって諦めればいい、そういう目的で育まれてきたものなのだとおもっていました。

でも、世の中には「ほんとうの私」という占いのジャンルがあるんですね。A型は几帳面とか、うお座はロマンチストとか。「ほんとうの私」なんて、自分のことをよく観察していればわかりそうなものです。どうしてわざわざ占うのかな、とおもっていたのですが、ランチタイムにまわりの占い好きな女の子たちとお話していて、占いは自己開示のためのコミュニケーション・ツールなのだな、と気づきました。

たとえば、誰かに「私って几帳面で神経質なんです」というより、「私、A型なんです」というほうが、たぶんいいやすい。「私、ずぼらなんです」というより、「私、A型に見えないっていわれるんですよ」のほうが、たぶんいいやすい。「あなたもずぼらなんですか?私もです」より、「私もA型っぽくないっていわれるんですよ」のほうが、いいやすい。血液型や星座より、もっと長い説明が付く占いなら、「ここは当たってるとおもうけれど、ここは当たってないとおもうんです」と説明すれば、自己紹介のかわりにもなって、便利かもしれません。「私が、私が」という主張を潔しとしない日本、共通項を見つけて和を保っていく日本で、占いが廃れないのはわかるような気がする。行き過ぎてブラッドタイプ・ハラスメントのような偏見にならないといいよね。

…で、前フリが長くなりましたが、きょうランチともだちに教えてもらって、日刊イトイ新聞の手相占い「ほんとうのわたし編」をしてみました。まとめると、きれいなものとぜいたくがすき、自由がすき、体力がなく甘えんぼうで臆病なわりにひとりで動き回り、とりあえず未来のことは考えていない、という結果でした(興味ないとおもいますが全文はこちら)。読んでいてトフィーを思い出しました。似るのね。ブログを読んでくださっている方なら簡単に見てとれそうな”結果”だけれど、これが手のしわしわに現れているかとおもうと不思議。

hydrangea: white

2008/06/22 (Sun) ダーツ&ポーク
ダーツと豚焼肉に誘われました。ダーツは初めてです。豚焼肉も初めてです。誘ってくれたともだち以外は、みんな初めましてのひとたちです。どうしよう、こんなに初めてばっかりで。どきどきしすぎて、駅に行ってから戸締まりを忘れたのに気づいて家に戻り、電車に乗ってからお財布を忘れたのに気づいて戻り、待ち合わせ時間に20分も遅れてしまいました。せっかく早起きしたのにね。

ダーツは難しかったです…。私はできることは始めから苦もなくできるのですが、できないことは尋常ではなくできません。ダーツはどうやら後者だったようで、見事に当たりませんでした。できないことはいつもこんな感じなので、本人や家族や古いともだちは慣れっこなのですが、初めましてのひとたちはさぞかし驚いただろうとおもいます。それでも私が淋しい思いをしないようにすごく手加減して投げてくれて、とてもしあわせでした。みんなありがとう!

豚焼肉は「味ちゃん」というところでテーブル3つを占拠し、サンギョプサルとポッサムをいただきました。他のテーブルで大きなお肉がハサミで切られ、斜めになった鉄板の上でじゅうじゅう焼けていくのが珍しくて、じーっと見ていたら、「こっちに来て食べていいよ」と声をかけてもらえました。撮りたくて見ていたのですが、カメラ好きだって知らなかったら、たしかに腹ぺこさんにしか見えないよね(笑)。大人数でご飯を食べた経験があまりないので、つられてたくさん食べてしまい、立ち上がれなくなるかとおもいました。そのあとのカラオケでも、音が予想以上におおきくて、椅子から飛び上がってしまうかとおもいました。生きてきた年数の割にできないこと、慣れていないことが多いのですが、ちょっとずつ覚えています。あたたかく見守ってくれて、ありがとう。また遊んでね。

possam

samgyeopsal

2008/06/19 (Thu) ポジティブ・メディア
日本最南東の有人島、波照間島(沖縄県竹富町)で、自転車のかごから観光客の財布がなくなる事件が発生したが、機転を利かせた警察官の「おとり捜査」で、カラスがくわえて飛び去っていたことが20日、分かった。

沖縄県警八重山署によると、発生は今月10日午前10時半ごろ。観光で訪れていた同県北谷町の女性(30)が「日本最南端の碑」の近くに自転車を止め、周囲を散策している間に、かごに入れておいた財布がなくなった。通報を受けた島でただ1人の警察官、伊藤竜之巡査部長(28)は、観光客の菓子や弁当を目がけて空から襲うことがあったカラスに狙いを絞った。伊藤巡査部長は、車で5分ほどの集落からメロンパンを買って現場に戻り、碑の上に置いた。見張っていると、1羽のカラスがパンをくわえて飛び去り、近くの木の上にとまって食べ始めた。木下には女性の財布がファスナーを空けられた状態で落ちており、免許証や紙幣が錯乱。1000円札が2つに破られていたが、なくなったものはなかったという。伊藤巡査部長は「島の人が盗みをするはずはないので、とっさにカラスの仕業と思った」と話している。
―「島民盗むはずない 唯一の警察信念捜査」福井新聞2004年11月21日付


マス・メディアに近いところでお仕事をしていると、よいニュースより、悪いニュースのほうが遥かに広がりやすいことが、身にしみてわかります。メディアは番犬だから、悪者がいれば吠えないわけにはいかないのは、よくわかっているのだけれど。それを聞かないふりをすることができないのも、わかっているのだけれど。新聞もTVのニュースも悪いニュースばかりで、眉間にしわができてしまいそうです。きっと悪くないこともたくさん起こっていると信じたいな。きょうも、いまも。

最初の引用は「HAPPY NEWS」(著:日本新聞社協会+HAPPY NEWS実行委員会/マガジンハウス)。一面記事にはならないけれど、心温まるニュースばかりを集めた本です。こういう本のページ数が増えるような国になるといいね。

hydrangea: blue

2008/06/17 (Tue) お熱
眼鏡がすき、腕まくりがすき、駐車するときに後ろを見る首すじがすき―ランチタイムに職場の女子チームで”萌えポイント”の話をして盛り上がって以来、気をつけて観察していたら、きょう、私にもそういうポイントがあることを発見しました。

きっかけはお仕事中、経理部にかけた内線電話。いつもの経理担当者が対応してくれたのですが、声がいつもより大人っぽいのです。「上司のサインを取って、領収書を添付して提出してください」。そんな事務的な話しかしていないのに、すこしハスキーで、語尾がやわらか。おもわず「声の感じがいつもと違いますね」といったら、「今朝40℃の熱出しちゃって、点滴してから来たんです…」と彼。えええ。それは大変。

その後、エレベーターに乗ったら、研究所のひとに会いました。「出張なんですね」と声をかけると、「そうなんです。でも、昨日から熱っぽくて、点滴打ったんです。はぁ、ふわふわする…」と彼。その声も、いつになくかっこよく聞こえました。さらに、席に戻ると、社長が書類を片手に近づいてきました。「はなびさん、これ、細かいところいくつか直してくれる?まずここね…こほん」。小さな咳の混ざる掠れ声。耳元で、こまるなあ。

私はどうも、風邪でよれよれなんだけどそれなりに頑張っちゃってる男性の声にどきどきするみたいです。ふだん元気でぱりっとしてるひとが、ぱりっとしきれていない、ギャップがいいのかなあ。点滴を打ってまでお仕事に来ているひとが2人もいる(もしかしたらもっといる)会社というのは実際どうかとおもいますが、私の耳はきょうはたくさん喜びました。ごめんね、お大事にね、でもちょっと得したきもち。写真は近所の紫陽花。紫陽花は青、白、薄いピンクの順にすきです。

hydrangea: white bouquet

2008/06/15 (Sun) 父の日に
きのう、父の日のためのマッサージオイルを持って実家に帰ったら、母が自分の肩をぽんぽん叩いていました。肩こりがひどいようです。幸いオイルは2瓶買ってあったので、父が寝ているあいだに片方を開け、母にオイルマッサージをしてあげました。途中からうとうとしていたようで、今朝「きのう、叔母さんから電話があったっていってたよね」といったら全然覚えていなくて、笑ってしまいました。返事してたのにね。

父にはきょう、フットマッサージをプレゼントしました。片方のオイルの瓶のリボンがいまいちきれいに結べていなかったのには、気付いていなかったとおもいます。こっそりフライングして使ってしまったけれど、母が元気でハッピーなら、父もハッピーに違いないよね?

2人分のマッサージを終えて、ひとり暮らしのお部屋に帰ってきたら、腕と肩がぽやんとくたびれていました。二の腕のあたりは、ちょっと筋肉痛。お風呂で腕を伸ばしながら考えたのは、ともだちのこと。私にはやさしいともだちが何人もいて、私が疲れていたときに、肩や頭をほぐしてくれたことがあるのです。あのあと、彼女や彼の腕も、だるくなったりしたのかな。それでも私にやさしくしてくれたのかな。大切なひとたちにやさしくしてもらうのは、嬉しい。やさしくしてあげられるのも、嬉しい。誰かにやさしくすることで、他の誰かのやさしさに改めて気づけるのも、とても嬉しいです。嬉しいことがいっぱいで、しあわせ。

hydrangea: young blue

2008/06/11 (Wed) 占いダイエット
同じ会社のひとが、すごい勢いでダイエットに取り組んでいます。何でも、細木和子さんの占いで「今年8月に運命のひとが現われる」と出たそうで、それまでに10キロ落としたいのだとか。ストイックな食事制限はもちろんのこと、病院で大豆由来の何か(説明してもらったのですが、よくわかっていません)を何本も注射してもらったり、ぶるぶる震えるエクササイズマシンを買ったり、ストレッチをしたり、ほんとうにがんばっています。しかも、出会いの場を日本だけに狭めるのはどうか、ということで、運命の8月には、細木和子さん的に良い方角にあるイタリアへの旅を予約済だとか。

私は占いはあまり信じないほうですが、ひとの信じる気持ちの強さは信じています。”絶対にそうなる”と信じたことは、かなりの確率で叶っちゃうものです。このままいくと、彼女も8月にイタリアで熱い恋に落ちるかも?唯一の懸念は、彼女の好みのタイプが、ボブ・サップだということ。旅先、イタリアよりアメリカとかのほうが、よかったかもね?写真は、ぼん・きゅ・ぼん体型がうらやましいハチさん。

bee

2008/06/09 (Mon) 開通!
自宅にインターネットが開通しました!原因がよくわからないまま、つながらなくなってから約3ヶ月。ちょうどお仕事の山にぶつかってしまい、NTTやプロバイダに電話しようにもコールセンターが開いている時間におうちにいられず、ずいぶん時間を食ってしまいました。ああ、大変だった。当分「エリーゼのために」の保留音は聞きたくないです。

でも、新しく別のプロバイダと契約し、送られてきたモデムの箱を開けてからは、早かったです。20分と経たないうちにセットアップできました。前回はプロバイダのひとがサービスで設定していってくれたのですが、40分近くかかっていた気がします。最近のモデムは、かしこいね。

もうひとつ、おもわぬ収穫は、電話がかけられるようになったこと。何ヶ月か前になぜか固定電話がかけられなくなってしまったのですが、かかってきた電話を受けることはできるし、自分からかけるのは携帯電話があるからいいや、と呑気に放置していたのでした。電話機の故障かとおもいこんでいたけれど、モデムの故障だったみたい。新しい電話を買わなくてよかったです。急にインフラが整って、うれしいな。写真は、このすがすがしい文明の夜明け(?)にぴったりな、雨の日の翌朝の朝やけ。

morning after the rain

2008/06/07 (Sat) magic day
ともだちと新宿に遊びに出かけたら、会って早々サンダルを踏まれ、靴底を剥がしてしまいました。もう何年もはいているサンダルだから惜しくはないけれど、歩く度にパカパカいうのはちょっと困ります。仕方ないのでコンビニで瞬間接着剤を買おうと、西口方面に歩いていきました。

見つけたコンビニのラックには「ぴあ」。そういえばきょうは、三谷幸喜監督の『マジック・アワー』の封切日では?調べてみると、コンビニから見えている映画館で公開されていることがわかりました。「上映時間はお問い合わせください」。うん、行ったほうが早いよね。

映画館はかなりの混雑でしたが、15分ほどで『マジック・アワー』が始まることが分かりました。事前にウェブ予約できる全席座席指定のシネコン、チケット売り場のスクリーンの表示は「残席わずか」。どきどきしながらカウンターに並んだら、「残席3席で、2名さま席続きでお取りできます」。瞬間接着剤でくっつけたかかとをぎゅっと床に押し付けながら、たのしく映画を観てきました。

そのあとは新宿伊勢丹に。ふだんは新宿に来ることがなく、どこで何を売っているかなんてまったくわからないのに、小腹が空いて「ジェラートみたいな、軽くて甘いものがたべたいな」といって目の前を見たらジェラテリア、「父の日に肩こりやむくみが治るようなものをあげたいな」といって辺りを見回したら、血行をうながすマッサージクリーム。ひとつだけそこでは見つけられなかったものがあって、ともだちと「ちょっと遠いけど、ロフトにあったよね」と話しながら伊勢丹を出たら、5分と歩かないうちに専門店が見つかったのでした。

最後に駅で別れようとしたら、「はなびのだいすきな、まるいバラがでてるよ」と、ともだちがバラを買ってくれました。ふんわりピンクの、ころんとした、ちいさなバラ。この色とかたちのバラがずっとほしくて、何ヶ月も季節が来るのを待っていました。もう咲いてるんだね。うれしい!

きのうともだちと話して決めた「寄席を見よう」というプランからは思いも寄らない1日でしたが、何かの魔法が働いているみたいに、うれしくて、たのしくて、しあわせなことが、つぎつぎと起こる日でした。私は毎日何かうれしいこと、たのしいことに出会っているけれど、きょうはいつも以上に、すごく、すごく、しあわせでした。ありがとう。

写真は菖蒲。夕焼けの赤が消えて、空が完全に暗くなる前のわずかな時間、すべてが美しく見えるという、「マジック・アワー」に撮ったものです。きちんと美しく撮れているかな?

iris

2008/06/02 (Mon) 『中学校国語2年』
 「父っちゃ、帰ったってな?」
喜作は一級上の四年生だが、偉そうに腕組みをしてこちらの濡れたビールをじろじろ見ながらそういうので、
 「んだ。」
と頷いてから、土産は何かと訊かれる前に、
 「えんびフライ。」
といった。
…(中略)…
揚げたてのえびフライは、口の中に入れると、しゃおっ、というような音を立てた。噛むと、緻密な肉の中で歯が微かに軋むような、いい歯応えで、このあたりで胡桃味といっている得もいわれない旨さが口の中に広がった。
―三浦 哲郎『盆土産』/中学校国語 2年(光村図書)


子どものころ、一学期のはじめに国語の教科書が配られるのが楽しみでした。算数や社会の教科書は教科書でしかないけれど、国語の教科書は小説のあとに詩、説明文、随筆と、次に何がくるのかわからないところがすきでした。ページを捲る向きが他の教科書とは逆なのも、ちょっと特別な感じがしました。

そういうわくわくした気持ちは、学期が進んで「文中の『あの場所』とはどこを指すのか」とか、「ここでの作者の気持ちを答えなさい」とかいわれているうちに薄れてきてしまうのですが、それでも強烈に印象に残っている文章がいくつかあります。

冒頭の『盆土産』もそのひとつ。著者の名前も作品名も覚えていなかったのに、「えんびフライ」という言葉ひとつで、水風船が弾けるように記憶が飛び出てきました。教科書の余白にえびフライの落書きをしたこと。次のページにも、次の次のページにも落書きをして、踊るえびフライのぱらぱら漫画を完成させたこと。ともだちがお弁当の蓋を開けて、「あ、きょうはえんびフライが入ってる」といったこと。彼女がえびフライをかじる瞬間に、みんなで「しゃおっ」と擬音をつけたこと。

えびフライが盆土産になる時代の貧しさも、父親と離れて暮らす切なさも、方言のあたたかさも、お母さんに頼めばお弁当に冷凍食品のえびフライを入れてもらえる世代のわたしたちには実感できるわけがないのです。でも、「盆土産」のえびフライは、ほんとうにおいしそうに書かれていた。

国語という教科の役割は、名作をどう読むかを教えることよりも、名作に出会わせることにあるのだろうとおもいます。ほんとうに何かを持った作品なら、無理に読ませて感想文なんか書かせなくても、記憶に残るから。写真はえんびフライ、かじったら「しゃおっ」といいました。すきなときにすきなおかずを食べられる、おとなっていいね。

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はなび

Author:はなび
犬、紅茶、写真、美術館、お風呂、本、日本語がだいすき。2006年3月から、EOS Kiss DNと一緒にたのしくお散歩をしています。文章と写真は関係がないことが多いです。写真だけをまとめてご覧になりたい方は、hanabi days on flickrへもどうぞ。

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