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2009/07/07 (Tue) 七夕伝説の謎
むかしむかし、あるところに牛飼いがいました。牛飼いがある日、池で牛に水を飲ませていますと、ほとりに立っている樹に、淡く光る布がかけられているのが見つかりました。そして、池では、この世のものとも思われぬほど美しい天女が数人、水浴びをしていたのでございます。

牛飼いに気づいた天女たちは、叫び声をあげ、光る布をからだに巻きつけては、つぎつぎと天へと飛び去っていきました。しかし、最後のひとりは、天に戻ることができませんでした。彼女が樹に手を伸ばす前に、牛飼いが光る布を取ってしまったからです。「牛飼いさま、どうぞそれを返してくださいませ」と、天女は頼みました。しかし、牛飼いはそれを返すことはなく、ついにふたりは夫婦として暮らすこととなったのです。

そうして数年が経ったころ、天女は家の中で、牛飼いが隠していた光る布を見つけてしまいました。地上での暮らしにも慣れ、牛飼いを恋しくおもうようになっていた天女でしたが、光る布を手にすると、「天上はいまごろ、どうなっているのかしら。天のお父さまは、どうされているかしら。ああ、お会いしたい」と懐かしさはつのる一方です。そしてついに、牛飼いが外に出ていたとき、天女は天に帰ってしまいました。

からっぽの我が家に戻った牛飼いは、光る布がないのを見つけ、天女を追って天へと上ります。ついに天女を探し出し、「どうしていなくなったのだ。地上での暮らしがつらかったか」と聞く牛飼いに、天女は答えます。「私は、懐かしいお父さまに一目お会いしたら、あなたさまのところに帰るつもりでございました。でも、お父さまがお許しにならなかったのでございます。よくお聞きください。お父さまは今晩、あなたさまとお食事をされるつもりです。それは、ただのお食事ではございません。あなたさまが天の者を娶るにふさわしい方であるか、試されるおつもりなのです。よろしいですか、天の者は、決してたべものを横に割って食べることがございません。何を出されても、たべものを横に割って食べてはなりませんよ。そうしなければ、私たちは、ともに生きることがかなわなくなりましょう」。

その晩、天女が申しましたとおり、天の王は牛飼いを御殿での夕食に招きました。天女のことばをこころに刻んだ牛飼いは、どんなたべものも決して横に割ることがありませんでした。しかし、最後によく冷えた瓜が運ばれてきたとき、天の王は静かに声をかけました。「牛飼いよ、この瓜は横に割って食べるがよかろう」。最後の最後で天女のことばを忘れてしまった牛飼いは、ついに瓜を横に割ってしまったのです。そのとたん、瓜の割れめからは、どうとばかりに水が溢れ出し、お皿やテーブルのみならず、牛飼いまでも、御殿のはるか遠くへと押し流してしまったのでございます。

牛飼いが気づいたときには、天女のいる御殿とのあいだには、広く、深い河が、ちらちらと銀色に光りながら、流れていたのでした。そうして、河の向こう岸には、美しい目に涙をいっぱいに湛えた天女が立っていたのです。「愛しいあなたさま、どうして私の言葉をお忘れになったのですか。私たちはもう、ともに暮らすことはできません。でも、私はお父さまにお願いしました。1年に1度だけでよいから、あなたさまに会わせていただきたいと。お父さまは私の願いを聞いてくださいました。来年のきょう、この河にカササギが橋を架けます。私はその橋を渡り、あなたさまに会いにいきましょう。それまで、どうか私のことを、お忘れにならないでくださいませ」。天女が話す間にも河は深さ、広さを増し、天女の声は水音にかき消されて行きました。それを見た牛飼いは涙を流して悔やみましたが、天女にはもうその姿すら見ることができなかったのです。

月の細い晩には、空を見上げてご覧なさい。ぼんやりと銀色に光る天の河が見えるはずです。その両岸には、いまも牛飼いと天女が佇み、カササギが橋を架ける日を待ちわびているのですよ。

…というのが、私が知っている七夕伝説なのですが、数年前に母に話したところ、「それは半分以上、羽衣伝説よ。だいたい天女がちっとも織物を織ってないじゃないの」といわれました。たしかに。父にも話してみたところ、「それは、七夕伝説じゃない。よくそんなにすらすらと、違う話が出てくるものだ」と感心されました。正しい七夕伝説では、織姫が牽牛恋しさに織物を織らなくなってしまったので、天の王様が怒って天の河を流したんだそうです。

大人になったいまも、こんなに長い話を、ぜんぜんDeleteキーやBackSpaceキーを押さずにすらすら書けちゃうくらい、よく覚えてるんです。いったい誰に、いつ、どこで聞いたんでしょうか。七夕伝説といえば、牛飼いが瓜を割る話、とおもっているひと、他にもいないかしら。うーん。画像は星、ではなく、蛍。

shinobara: fireflies

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はなび

Author:はなび
犬、紅茶、写真、美術館、お風呂、本、日本語がだいすき。2006年3月から、EOS Kiss DNと一緒にたのしくお散歩をしています。文章と写真は関係がないことが多いです。写真だけをまとめてご覧になりたい方は、hanabi days on flickrへもどうぞ。

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